伊豆半島地震観測システム


東京大学地震研究所では、伊豆半島各所に配置した陸上の地震計と伊豆半島東方沖に設置した光海底ケーブルによる海底地震観測システムにより、伊豆半島周辺の地殻活動を常時監視しています。
これらの各地震計から得られた地震データは、観測室内の伝送装置に集められ無線で千葉県鹿野山の無線中継局を経由して、東京大学地震研究所へと送られます。無線を使用することにより、災害時にも強い観測システムとなっております。
伊豆半島東方沖の海域では、震源分布が示すように群発地震がたびたび発生し、1989年の伊東市沖手石海丘の海底噴火につながりました。これらの異常活動は地殻応力の集中や、地殻深部のマグマの上昇により引き起こされたものです。この海底地震観測システムは、伊東市沖の地震活動の時々刻々の変化が捕らえられるので、地震・火山噴火の防災情報システムとしても大変役立つものと考えます。
当研究所が開発し伊豆半島東方沖に設置した海底地震観測システムは、最大水深1,300Mの海底に3台の地震計(短周期地震波から地殻の傾斜までを 
カバーできる広帯域・高精度の観測機能を備えています。)を光海底ケーブルで結んだものです。わずかな地殻活動でもデータを解析することにより、伊豆半島
東方沖・相模湾の地震予知をめざしています。


*画像をクリックすると拡大図をみることができます。

                 

伊豆半島周辺震源分布 (1993年4月〜1995年5月)

  


システム概念図1

  



システム概念図2

  


海底観測システムのしくみ

  


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