題字 : 東京大学名誉教授 萩原 尊禮 先生 筆
題字

所在地
住 所 千葉県富津市金谷字井戸谷4078−18
0439−69−2378
Lon・Lat 139°49′47″: 35°09′20″ : h=59.3m

連絡先
住所 〒 113−0032
東京都文京区弥生 1−1−1
東京大学地震研究所 地震地殻変動観測センター 地殻変動観測部
03−5841−5745


観側坑入り口
観側坑内
観測坑内


鋸山地殻変動観測所の沿革

1923年の関東大地震に伴って房総半島および三浦半島において地震にともなった大きな地殻変動が観測されています。このことを考慮して地震研究所においては昭和22年に三浦半島の油壼に地殻変動の連続観測施設を設置しました。その後、観測が進むにつれて比較観測の重要性を認識し、房総半島に昭和34年、鋸山地殻変動観測所が設置されました。両観測所は約20q離れた距離にあり、異常地殻変動やテクトニックな地殻変動の解明のための比較観測に重要な役割を果たしてきました。鋸山地殻変動観測所は30年以上継続した観測の後、平成5年10月から約1km南の鋸山山麓に移転しました。
観測所観測所上空
鋸山地殻変動観測所の役割

鋸山地殻変動観測所は房総沖の三重会合点付近で発生すると考えられる大地震、1923年の関東大地震タイプのもぐり込むプレート境界に発生する地震および首都圏直下型地震の予知を考慮して設置し、今後起こると考えられる大地震に関連した地殻変動現象の観測により、その予知に重要な役割を果たすことが期待されます。また地殻のダイナミックスなど地味ではありますが基礎的で重要な観測研究を進める拠点となる観測所です。

鋸山地殻変動観測所における観測機器と特徴


観測所は庁舎、観測坑および地殻変動検潮所から成っています。観測坑には水晶管伸縮計(40m,3成分)、読取式水管傾斜計(42m,2成分)、自記水管傾斜計(42m,2成分)、小型ボアホール多成分歪計(水平8ヵ所、垂直3ヵ所)、重力計、小型長周期地震計(3成分)、温度計(19ヵ所)、強震計、応力計などが設置されています。
伸縮計の感度検走はコンピューターコントロールにより固定端を移動させる自動検定を新しく開発し、適用しています。リニアアクチュエーターにより、水晶管を前後させるもので再現性も十分です。自記水管傾斜計は震研90型で感度検定は中間の小型ポットをコンピューターコントコールにより上下する自動検定です。
観側坑見取り図
庁舎には観測データのモニター、データ伝送装置、雨量計などが設置されています。庁舎の前には100mのボアホールが掘削されており、水位変化の観測もするとともに水準点も設置されており、国土地理院の1等水準路線と接続しています。データは電話回線により東京の地震研究所に伝送されデータベースに蓄積されています。地殻変動検潮所は海水面の変化を測定するための施設でフロート式と圧力式により水位測定を行っています。この測定により地殻変動の絶対値を推定するとともに観測坑における観測に対する海水加重の影響を補正することができます。庁舎の屋上にはGPS衛星観測用の基点が設置されており、南関東の相対的な変形を測定します。
庁舎内部 観測庁舎内の記録計
金谷港検潮所
水準点上:浜金谷港 マークは検潮所 ・検潮所外観
左:水準点 (水準測量)